大菩薩嶺 初心者向け登山コース紹介(ついでに福ちゃん荘でテント泊)

初めての登山

2021年9月25、26日の土日に大菩薩嶺に家族で登山に行ってきました。

登山口へのアクセス、登山コース等を紹介しますので、これから大菩薩嶺への登山を考えている皆様(特に初心者の方々)の参考になれば幸いです。

登山コース(福ちゃん荘~雷岩~大菩薩嶺~大菩薩峠)

パーティーは家族4人で、私の他に妻と小学生の娘が2人(小3と小1)です。

娘2人は今回初めての登山なので、体力的に無理のないコースを選択することにしました。

登山コース

福ちゃん荘 →(唐松尾根)→ 雷岩 → 大菩薩嶺 → 大菩薩峠(介山荘)→ 福ちゃん荘

登山コース(福ちゃん荘から唐松尾根を登って大菩薩嶺へ、その後は大菩薩峠経由で福ちゃん荘に戻るコース)
登山コース(福ちゃん荘から唐松尾根を登って大菩薩嶺へ、その後は大菩薩峠経由で福ちゃん荘に戻るコース)
そもそも大菩薩嶺を選んだ理由

福ちゃん荘と大菩薩嶺の高低差が約350mと比較的小さく、また大菩薩峠を経由する周回コースは標準コースタイムで3時間なので、登山未経験の小学生でも登れると考えたからです。

福ちゃん荘をスタートに選んだ理由

ロッヂ長兵衛で車を停めて出発する登山者が多いかと思います。

到着が昼前になりそうで無料駐車場が空いているかどうか心配だったのと、子供たちが初めての登山ということもあり、できるだけ歩く距離を短くするためです。

唐松尾根を登るルートを選んだ理由

唐松尾根を登る時計回りのルートか、先に大菩薩峠に進む反時計回りのルートのどちらかを選べます。

唐松尾根の場合、終盤に少し急な登りが待っていますが、その後の大菩薩峠への尾根道は緩やかな下りが基本となるため、景色をゆっくりと楽しめると考えたからです。

テント泊登山のために準備した装備

テント関係

今回のテント泊のために、モンベルのクロノスドーム4と専用のグランドシートを購入しました。(本当はイエローが希望でしたが、在庫が無かったためブルーを購入)

同じモンベルの4人用テントでは、ステラリッジテント4とムーンライト4が有るため、これらと比較検討しました。

ステラリッジテント4は非常い軽くて本格的な登山向きですが、逆に背が少し低いために居住性に難が有ります。

逆にムーンライト4は背が高くて居住性がいいのですが、その分本体重量が重いです。

そこで私たちはトータルバランスを考えてクロノスドーム4としましたが、これについては各々の用途に合わせて選択してよいかと思います。

ステラリッジテント4クロノスドーム4ムーンライト4
本体総重量1.48kg4.00kg5.56kg
室内広さ230cm x 200cm210cm x 240cm260cm x 260cm
室内高さ120cm125cm180cm
モンベル4人用テントの主な仕様比較
福ちゃん荘前のテント場にて
福ちゃん荘前のテント場にて

床は薄い銀マット(アルミシート)のみを敷いたのですが、この時期の夜は寒く、また運の悪いことに夜中に雨が降ってしまい、地面からの底冷えに悩まされることになりました。

多少かさ張りますが、特に秋以降は厚めの寝袋用のマットは持参した方が良いと思います。

服装

9月の下旬ということで平地ではまだそれほど寒くは無いですが、大菩薩嶺は標高2,000mを越え、福ちゃん荘でも標高1,700mと比較的高地にあるため、特に夜は10度近くまで冷え込むことが有ります。

日中での山歩きでは長袖のシャツと長袖のズボンとして、雨が降ったときのためのレインウェアを持参しましょう。(レインウェアは風が強いときの防寒着にもなります。)

登山靴については、できれば登山靴を履くことをお勧めしますし、その方が安心です。

所々簡単な岩場があり、また登山道にも小さな石で普通の靴では歩きにくいところもあります。

今回は子供たちは初めての登山ということもあり、普段履いている運動靴で登ったのですが、あいにく途中から雨が降り出したせいもあって歩きにくかったようです。

その他の主な装備品

登山において必須となる装備品、もって行ってよかったものと失敗したものに分けて紹介します。

ここで紹介す以外にも、寝袋(シュラフ)や水筒といった基本的な装備も持参しています。

必須装備品

1.地図とコンパス

初心者コースで非常に人気ですが、実際に過去に遭難事故が何度も発生しています。

必ず地図(できれば、2万5千分の1もしくは5万分の1)とコンパスを持参するようにしましょう。

2.非常セット

道迷いによる遭難やケガによって動けなくなる可能性が0ではありません。

そのような事態に備えて、非常セットを持参しておく必要が有ります。

専門店でセットのものを購入してもいいですし、タッパーに非常食(カロリーが高いもの)、エマージェンシーシート、電池等を詰めておくだけでもいいです。

3.ヘッドライト

夜間での作業やトイレに行くときだけでなく、緊急時に日が落ちてから行動する際に必要になりますので、仮に日帰り登山の予定でも持っていくようにしましょう。

持っていってよかったもの

1.キャンプ用枕

自分の口から空気を送り込むタイプの枕を使用しましたが、簡易的でも枕が有るのと無いのとでは寝心地が全く違います。

2.室内用ライト

最近はLED式の比較的コンパクトなライトが安くで手に入りますし、一つあるだけで日没後のテントの中を明るく照らしてくれます。また、充電器にもなりますので、スマートフォンを充電することも可能です。

持っていって失敗したもの

シングルバーナー(中華製)

事前に家で一回テストして問題ないことを確認しておいたのですが、いざ本番の当日に着火してみると、明らかに不完全燃焼を起こして火力が全く上がりませんでした・・・。やはりこういう大事なものは、ちゃんとしたものを購入するべきだと反省しました。(普通に使っている人もいると思いますが。)

福ちゃん荘へのアクセス方法

公共交通機関、および車を使う各方法

東京方面から福ちゃん荘へのアクセス方法としては、公共交通機関を利用して電車とバスを乗り継ぐ方法と、高速道路を利用して車で行く方法の2種類が有ります。

公共交通機関

新宿駅 ➡(JR中央線🚊)➡ 甲斐大和駅 ➡(栄和交通バス 上日川峠線🚌 ※土日祝日のみ)➡ 上日川峠バス停 ➡(徒歩20分)➡ 福ちゃん荘🏡

中央道大月インター(もしくは勝沼インター)➡ 県道218号 ➡ ロッヂ長兵衛の分岐を右折 ➡ 福ちゃん荘🏡

今回私たちは中央道を使って車で行くことにしましたが、行楽シーズンの土曜日の下りは渋滞が発生しやすいので、出発時間には注意が必要です。

県道218号を走っていく場合、ロッヂ長兵衛の分岐に東側から入ることになりますが、ロッヂ長兵衛の手前に右側に入る細い道が有りますので、そこを右折して5分ぐらい進むと福ちゃん荘に到着します。

ロッヂ長兵衛の前にも駐車場が有りますので、たいていの日帰り登山の方々はそこに車を停めて登山に向かっているようです。

勝沼インターからロッヂ長兵衛までのルート(県道218号)
勝沼インターからロッヂ長兵衛までのルート(県道218号)
県道218号(実線)を進み、右折して福ちゃん荘への小道(点線)に進入
県道218号(実線)を進み、右折して福ちゃん荘への小道(点線)に進入
ロッヂ長兵衛分岐地点
ロッヂ長兵衛分岐地点

福ちゃん荘の前に車を停めさせて頂く方法

前日までに連絡をして空いていれば車を停めてさせてもらうことが可能です。

その代わりに、ひとりにつき何か食事を一品頼んでおかなければならないという条件が付きます。

私たちは、おほうとうと迷いましたが、馬刺しを頂くことにしました。(一皿1,600円 × 4人分 = 6,400円)

福ちゃん荘の目の前に3,4台ほど停められるスペースが有ります。

わたしたちは11頃に到着しましたが、12時までは停めることができないとのことで、それまでの間はトイレわきのスペースに仮置きすることになりました。

※予約方法は変更になっている可能性も有りますので、必ず事前にウェブサイトや電話でご確認ください。

テント場にテント設営

まずは簡単な登山計画書を記入し、テン場代(400円)と事前に注文した馬刺し代を支払います。

テント場に向かうと、すでに4,5張のテントが張られていましたが、比較的広いテント場のため自由に場所を選ぶことができました。

すぐそばに流し台のついた水場が有り、トイレも男女別の比較的新しいものが設置されています。

実際の登山コースの状況

福ちゃん荘から唐松尾根を登って雷岩までの標高差は300mほどですが、前半の150mは比較的緩やかな登りです。

12時ごろに出発し、まずはその名の通り唐松の樹林帯の中を歩くことになります。

このあたりは鹿が良く出るようですが、わたしも登りの途中で鹿の親子に遭遇しました。

後半は前半よりも勾配がきつくなり、小さい岩もあるので少し歩きにくくなります。

またこのころから弱い雨が降り出したため、特に岩の上が滑りやすくなってきました。

こういう時は、足を滑らせてけがをしないように注意が必要です。

標高が2,000m近くになると森林限界を迎えて見晴らしがよくなるのですが、このときは残念ながら真っ白でほとんど何も見えなくなってしまいました。

唐松尾根から雷岩に浮かう途中
唐松尾根から雷岩に浮かう途中
大菩薩嶺山頂
大菩薩嶺山頂

晴れていれば雷岩から富士山や甲府盆地の方も見えるはずでしたが、残念ながら今回は全く見えませんでした。

大菩薩嶺までの登山道は林の中を進むので、山頂についても景色は望めません。

早々に介山荘のある大菩薩峠へ向かいました。

尾根道は所々簡単な岩場が有りますが、比較的整備されていますので、晴れていれば景色を楽しみながら歩けるでしょう。

介山荘で小休止した後に福ちゃん荘へと下ります。

介山荘からは再び林の中を進みますが、この道はさらに整備されているので問題なく歩けます。

雷岩から大菩薩峠までの登山道
雷岩から大菩薩峠までの登山道
大菩薩峠から福ちゃん荘への登山道
大菩薩峠から福ちゃん荘への登山道
勝縁荘付近の小川で小休止
勝縁荘付近の小川で小休止

福ちゃん荘に到着したのは16:30頃、今回は家族での初めての山登りということで、予定していたよりもかなりゆっくりとした山登りとなりました。

コースタイム 3時間55分(休憩含む)

12:35 福ちゃん荘 ⇒(唐松尾根)⇒ 14:00 雷岩 ⇒ 14:10 大菩薩嶺 ⇒ 14:30 雷岩 ⇒ 15:40 大菩薩峠(介山荘) ⇒ 16:30 福ちゃん荘

帰りは温泉「勝沼ぶどうの丘・天空の湯」へ

翌朝撤収して、お世話になった福ちゃん荘にお礼を言い、登山の楽しみの一つでもある温泉に向かうことにしました。

今回はクチコミでお風呂場からの眺めがいいとされていた、勝沼ぶどうの丘にある「天空の湯」に行きました。

実際に露天風呂に浸かりながら甲府盆地一帯を見下ろすことができ、また、お客さんも少なく、ゆっくり体を温めることができました。

ちなみに、モンベル会員だと少しだけ入浴料が安くなります。

勝沼ぶどうの丘の一角にあるので、ぶどうの時期には目の前の直売所で各種ぶどうも買うこともできます。

天空の湯

料金(税込):大人 760円、子供 450円 ※モンベル会員は100円引き(5名まで)

営業時間:時期によって異なりますので、ウェブサイトでご確認ください。

勝沼ぶどうの丘・天空の湯」のウェブサイト

お昼ご飯は、帰り道の途中の道の駅「甲斐大和」にある味処「そばの実」で、おそばを食べて帰ることにしました。

道の駅で買い物をしたついでに寄る人が多いのか、席はそこそこ埋まってました。

ここの道の駅の直売所でも、最近流行りのシャインマスカットなどが手頃な値段で手に入れることができます。

道の駅 甲斐大和

営業時間: 9:00~18:00(手打ちそば処「そばの実」 11:00~16:00 ※木曜日定休)

「道の駅 甲斐大和」のウェブサイト

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