消防設備士乙6の試験を初めて受験します。
できれば独学で合格したいけど、どうやって勉強方法したらいいのかな?
本記事では、あなたのこんな悩みを解決していきます。
独学での試験勉強のコツと注意点に加えて、試験当日の心構えや合格後の免状の申請方法についてもひと通り解説します。
2022年に消防設備士乙種6類の試験を受験し、1回目の受験で無事に合格しました。
最後まで読んで頂き、これからのあなたの試験勉強の参考になれば幸いです。
それでも、「やっぱり独学は無理かも・・・」という場合のために、
この記事の最後に、消防設備士乙6の通信講座を扱っている記事もあわせて紹介しておきますね。
消防設備士乙6の勉強方法のコツと注意点
まず、最初に結論をまとめます。
- 合格するかどうかは自分の勉強量しだい。ひたすら暗記する。
- 電子書籍では暗記用のアプリを使うと便利。
- 筆記試験は、よく出る数字は丸暗記する。
- 実技試験は、一度回答を自分で書いてみる。
- 1度間違えた問題は2度と間違わないように心掛ける。
- 解答が終わったら、必ず1回は見直しをする。
各ポイントについては、次の章から説明します。
まず、簡単に試験科目と合格基準について紹介します。
消防設備士乙6の試験科目と合格基準
消防設備士乙種6類の試験科目
消防設備士 乙種6類は消火器の整備を行うための免状なので、当然消火器に関する問題が出題されます。
問題数は合計35問、試験時間は1時間45分です。
消防設備士乙種6類の合格基準と合格率
筆記、実技試験とも60%以上の正答率でよいので、そこまで難易度は高くないと言えます。
合格率も各種サイトで紹介されていますが、平均すると約40%前後と思われます。
数字だけ見ると半分以上の人は不合格となるわけですが、個人的にはこの数字はあまり意味が無い、参考程度でよいと考えてます。
なぜなら、高校や大学受験のような定員は無いからです。
仮に、40人の定員に対して100人が受験する場合、いくら自分が頑張っても、他の人がそれ以上に勉強すれば、合格しないかもしれません。
一方、消防設備士の試験では、しっかり勉強して上記の合格基準を満たせば、極端な話、100%全員合格できます。
結局、合格するかしないかは自分の勉強量しだい、ということになります。
試験勉強に使用したツール
テキスト(参考書)
私が使用したテキスト(参考書)は、「試験にココが出る! 消防設備士6類 教科書+実践問題(電子書籍)」です。
このテキストの電子書籍版(Kindle)を購入しました。
電子書籍を選択したのは、参考書を持ち歩く必要が無いことと、すき間時間にiPhoneを取り出して勉強できるためです。
大事なことは、一度決めたテキストを最後までやり抜くことです。
テキストは1冊で十分、やっぱりこっちの方が良さそう、と浮気するのはお金と時間のムダです。
電子書籍の勉強で使えるアプリ
ここでは、電子書籍のテキストを使用して勉強するときに使えるアプリを3つ紹介します。
(電子書籍ではなく、紙のテキストを使う場合は読み飛ばしてください。)
Kindle
言わずと知れたAmazonの電子書籍用のアプリです。
iPhoneのブックストアでもいいのですが、Kindleの方が若干安いことが多いので、私はこちらを使用しています。
(ただ、iPhoneではアプリから直接書籍を購入できず、Safari等のブラウザから購入する必要があるのは少し面倒ですが・・・)
暗記マーカー
任意の暗記したい部分をマーカーで目隠しすることができます。
隠した部分をタップして、正解か不正解かを選択することで、正答率に応じて色が変化します。
正答率が悪いほど赤く表示されますので、どの部分が覚えるのが苦手としているかが一目瞭然でわかります。
Kindle上で直接このソフトは使えませんので、参考書を開いた状態で一旦画面をキャプチャして画像として保存し、暗記マーカーのソフトで保存したページの画像を読み込んでから使います。
GoodNotes5
過去問や模擬試験を解いた後に、不正解だったところを参考書で見返すことが多いと思います。
その際に、不正解だった項目を集めたノートを作成して覚えなおすことで、次回に同様な問題が出題されたときに、同じミスを防げます。
そのような自分のノートを作成するときにGoodNotes5は非常に便利です。
Kindle上でキャプチャした画像を取り込むのですが、その上にマーカーで重要な部分に線を引いたり、ペンでコメントを書き込むことも可能です。
試験勉強の時間と配分の目安
勉強時間の目安
試験勉強にかかる時間は、あなたの気になることのひとつではないでしょうか。
なぜなら、できるだけ短時間で合格したい、という心理がはたらくから。
その気持ちはよくわかりますが、残念ながら合格に近道はありません。
試験時間はひとそれぞれですが、1日1~2時間として、だいたい以下の時間がひとつの目安になるでしょう。
一通り勉強するとなると、だいたい2~3か月ぐらいが目安になると思います。
もちろん、1日あたりの勉強時間をもっと確保できれば、1か月ぐらいでも可能とは思われます。
各科目の試験勉強の具体例はこの記事の後半で説明します。
筆記の「基礎的知識」は別に勉強した方がベター
消防設備士乙6の試験は暗記がほとんどですが、基礎的知識だけは少し異なります。
高校で習う物理の公式を覚えて、簡単な計算が必要となります。
上記の勉強時間の目安の紹介で、筆記の基礎的知識を最後にしたのはそのためです。
例えば、高校物理の知識がまだ頭に残っている人は簡単な復習でOK。
一方、全く知識が無いとイチから基礎を勉強しなくてはならず、余計に時間をみておく必要があります。
各科目の勉強方法のコツ
どの試験勉強にも当てはまりますが、基本は同じ問題を二度と間違わないようにすることです。
では、各科目でどのように勉強するか、その具体例とコツについて簡単に紹介します。
筆記試験(消防関連法令)
基本的に数字関係はすべて覚えておきましょう。(=丸暗記)
例えば、防火管理者が必要な防火対象物は、収容人員が以下のような場合です。
- 自力避難困難者入所施設:10人以上
- 特定防火対象物:30人以上
- 非特定防火対象物:50人以上
- 一定規模以上の新築工事中の建築物・建造中の旅客船:50人以上
このような人数をひたすら暗記しましょう・・・、というかしないといけません。
ただ、この手の人数や延べ面積を覚えないといけない項目がかなり多いです。
そこで、私の場合ですが、下のようにエクセルを使って自分で一覧表としてまとめました。
電子書籍だと一目でわかりにくいので、表でまとめることで見た目にわかりやすくなります。
自分で作成することで頭に入りやすくなるというメリットもあります。
個人的に、この中でよく聞かれる項目は、以下の3つが多いと感じます。
- 防火管理者を設置しないといけない収容人数
- 消火器の設置が必要な延べ面積
- 能力単位の算定基準面積
特に、「能力単位の算定基準面積」は実技試験を回答する時にもよく使うので必須と言っていいです。
筆記試験(基礎的知識)
法則関係の公式はなるべく暗記しましょう。
暗記するだけではダメで、実際に使えるようにする必要が有ります。
そのためには、わからなかったり間違えた問題はあとでもう一度解き、正解するまでくり返します。
基礎的知識の中で比較的多く出題される問題は、力のモーメントに関するものです。
力のモーメント M [N・m] = 力 F [N] × 視点からの距離 l [m]
また、よく出題されるものの一つが金属の熱処理で、焼入れ・焼戻し・焼なまし・焼ならしの違いは必ず頭に入れておきましょう。
参考までに、焼入れはオーステナイト組織を急速冷却してマルテンサイト組織にする「マルテンサイト変態」とも呼ばれます。
2022年1月の試験では、回答の選択肢にこのマルテンサイト変態に関する記述がありました。
ただ、かなり応用的な内容と思いますので、知らない場合は他の選択肢の消去法で回答すると割り切るしかありません。
筆記試験(構造・機能・工事・整備)
消火器の種類ごとに、消火作用や適応火災の違い、使用温度範囲や圧力範囲の数字を覚えましょう。
体系的に覚えるために、下の写真のように自分なりにエクセルを使って一覧表にまとめました。
色々と問題を解いて間違った部分については、空白のところに追記していきます。
基本的には、この表に書かれていることぐらいは丸暗記した方がよいです。
どの項目もよく聞かれますが、特に「大型消火器に充填する最小量」は実技試験でもよく出くるので必須項目です。
実技試験
まず多いのは、写真を見て消火器の種類とその作用、また大型消火器かどうかを問われる問題です。
この際に、「大型消火器に充填する最小量」を知らないとどうにもならないので、
水→強化液→機械泡→化学泡→二酸化炭素→ハロゲン化物→粉末
80L→60L→20L→80L→50kg→30kg→20kg
の順番で丸暗記です。
次によく問われるのは道具の名称とその用途で、参考書の写真を見ながらできるだけ暗記しましょう。
勉強するときの注意点は、問題集などで答え合わせをするときに一度自分で書いておくことです。
わたしもですが、漢字は読めるのに、いざ書いてみると思い出せないことがよくあります。(わたしのようなおじさんは特に)
実技試験はマークシート方式ではなく記述方式なので、過去問や予想問題を解くときは、実際と同様に自分で書くことをおすすめします。
最後によく出題されるのが、消火器の設置本数を問われる問題で、以下の式で導き出されます。
消火器の設置本数 = 算定基準面積 ÷ 部屋の面積 ÷ 1本の消火器の能力単位
ただし、小数点以下はくり上げなので、例えば1.5となった場合は2本となります。
出題の前提条件として、建物の主要構造物が耐火構造とされている場合がほとんどです。
算定基準面積は覚えておくのが基本ですが、問題中に記載されている場合もあります。
このときに注意点は、標準での算定基準面積で記載されていることが多いことです。
耐火構造が前提なので、算定基準面積を2倍にして計算する必要があります。
例えば、「事務所面積 400㎡、算定基準面積100㎡(標準)、消火器の能力単位2」の場合、耐火構造が前提だと、400㎡÷200㎡÷2=1本となります。
当然、ここで紹介したもの以外の問題も試験に出ます。
購入した参考書(1冊でOK)をまんべんなく勉強するようにしてください。
試験前はひたすら練習問題を解く
一通り勉強が終わったら、あとはひたすら過去問と予想問題を解きます。
何度も言いますが、重要なことは同じ問題を2度と間違わないように復習、メモをすることです。
予想問題はネットで検索すれば無料のものがみつかります。
私は過去問.comのウェブサイトを利用していましたので、参考までに下にリンクを貼っておきます。
消防設備士試験過去問題集[乙6](過去問.comウェブサイトより)
試験当日の心構え
試験開始までの時間
東京都の場合、試験会場は消防試験研究センター中央試験センターです。
居住地に関わらず、日程さえ合えば、全国どの都道府県でも受験可能です。
消防試験研究センター中央試験センターは、京王線の笹塚駅で降りて南口から徒歩10分程度のところに有ります。
試験会場の中には参考書は持ち込めるので、席について直前まで参考書やメモを見直せます。
ただし、スマートフォンは電源を切るように言われますので、電子書籍の場合は、試験会場の前の椅子で見直すことになります。
試験開始から退出するまで
試験開始から35分程度で、終わった人から退出が可能となります。
どの試験についても言えることですが、終わったら必ず1度は見直しするようにしましょう。(時間が許せばもう1度)
なぜなら人間は必ずミスを犯すからです。
特に、「正しいもの」を選ばせる問題と「誤っているもの」を選ばせる問題が混在しており、注意して読んでいるつもりでも、見落とすことがよくあります。
問題数が少ないため、1問でもミスをするとそれが致命傷となる危険性があります。
確かに、見直し作業は少なからずおっくうです。
ただ、うっかりミスで不正解になるのはすごくもったいないですよね。
面倒ですが、必ず一回は見直しをするようにしましょう。
見直しが終わったら、試験問題と解答用紙を持って退出します。
退出するときに、合格した場合の免状申請用の書類等一式を渡されます。
試験結果の通知が届くまで保管しておきましょう。
合格通知を受け取ったら
試験日の1か月後に試験結果通知書が発送されます。
いち早く確認したい場合、消防試験研究センターのウェブサイトからも確認できます。
もし合格していた場合、次に免状の申請を行います。
郵送で申請する場合は、基本的には以下の3点(既得免状がある人は4点)を、指定された封筒に入れて簡易書留で送付します(440円)。
約1か月後に、郵送で免状が送付されます。
消防設備士乙6の勉強方法のまとめ
独学での試験勉強の方法について解説してきましたが、改めてコツと注意点をまとめましょう。
これから試験勉強を始めようとされるあなたにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
もし、あなたがここまで読んで、
やっぱり通信講座の方が自分には合っているかも。
独学で失敗したくもないし・・・
というふうに思うかもしれません。
その場合は、別の記事で消防設備士乙6を扱っている通信講座を紹介していますので、こちらも参考にしてください。
▼おすすめ記事
→ 【独学で挫折】もう失敗しない!消防設備士乙6 おすすめ通信講座
→ 【危険物取扱者 乙4】独学で試験に合格する勉強方法|コツと注意点
自由コメント欄